この街は迷路そしてテーマパーク

とある時に知った冊子「city&life」no.98 特集下北沢から「都市」を考える

書店では売っていないため、直接発行元の財団法人第一住宅建設協会に注文し取り寄せました。


下北沢の様々な角度からの分析、下北沢を作ってきた人々と最近起業した人々へのインタビューと、薄い冊子ながら読みごたえがあります。



読み終わって興味深かったのが、お二人の方が下北沢を浦安の某テーマパークと重ね合わせている点です。


まず服部圭郎氏「商業地としてのシモキタ、魅力の解析」で、

「多様性という観点からは、下北沢の商業地区がそのキャラクターで空間的にゾーニングされていることも、魅力の創出に一役買っていると考えられる。
下北沢は京王井の頭線小田急線とで空間が東西南北に四分されているが、さらに南はそれを二分南口商店街の東と西で土地利用に違いがみられる。」

これに続く文章で各地域の特徴を具体的に示し、
「このように下北沢はあたかもディズニーランドがそのコンセプトによってトゥモローランドファンタジーランド、アドヴェンチャーランドとゾーニングしたような空間分離が勝手に有機的に出来上がっており、その多様性が演出されているのである。」


もう一つが渡和由氏「吉祥寺から見たシモキタ」、

「下北沢も吉祥寺と同様に約400m半径の街区に多様な用途と空間が凝縮している。(中略)
ニューアーバニズムが目指す400m半径の中心市街地の面積は約50ha。また、クルマ社会への対案として徒歩主義を現実化した、W.ディズニーの『歩いて楽しい街』、すなわちディズニーランドのことだが、その東京版である東京ディズニーリゾートの二つのテーマパークもそれぞれ約50ha。歩き周りたくなる街の共通サイズだ。」



この街を表すキーワードとして繰り返し登場する「迷路(ラビリンス)」、
それと同時にその広さやゾーニングによって、テーマパークとなっている街なんだと改めて実感しました。

ただ、ネガティブなことを書いて申し訳ないのですが、
お金のかからないテーマパークである故に、この街にはあまりお金が落ちていないんですよね…。



この「city&life」、『シモキタで、マイクロビジネス』のコーナーで「DARWIN ROOM」さんや「ほん吉」さんのインタビューもありとても面白いです。
他にも地形のことなど興味をもったことは沢山あるのですが書ききれません。